テレビ業界は常に新しい才能を求めており、その中でもアシスタントディレクター(AD)は重要な役割を果たしています。
特に女性がADとして活躍することで、業界全体がより多様性を持つようになります。
しかしながらテレビ業界のADというと、男性が多く女性のADは珍しいとまだまだ思われるかもしれません。
また、3Kと言われるように「キツイ、休暇なし、高離職」のイメージもあります。
本記事では、
女性がADとして働く際の魅力
具体的な仕事内容
成功するためのポイント
について詳しく解説します。
目次
ADの魅力とは?
ここではADの魅力を実際の具体例とともにご紹介します。
「キツイ、休暇なし、高離職」だけの職場ではないと知ることが出来るので、ぜひ参考にしてみてください!
多様なスキルを活かせる
ADの仕事は非常に多岐にわたります。
スケジュール管理
キャストの調整
撮影現場の準備
など、その業務は多岐にわたります。
このため、
コミュニケーション能力
時間管理能力
問題解決能力
など、さまざまなスキルを活かすことができます。
例えば、撮影当日にキャストの一人が急遽出演できなくなったという緊急事態に直面したとします。
ADには即座に代役を見つけ、スケジュールを調整し、撮影がスムーズに進行する事を求められます。
このような緊急対応の経験は、短期間で身に付けることは難しいです。
ADの仕事だけでなく、さまざまな仕事や経験で培われたスキルを活かすことが出来ます。
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成長の機会が豊富
ADというと、雑用係のイメージを持つ人も多いです。
様々な雑務をこなすことで、ADはテレビ制作の全体像を把握することができます。
そしてディレクターやプロデューサーと密に連携するため、業界の裏側を知る貴重な経験を積むことができます。
これにより、将来的にはディレクターやプロデューサーとしてのキャリアパスを描くことも可能です。
実際にあるADが、ディレクターの代行として初めてのディレクション(プロジェクトに関わるメンバーに指示を出して、プロジェクトの成功や制作物の完成を目指す業務のこと)を任されたことがありました。
事前にディレクターとしっかりと打ち合わせを行い、現場ではスタッフと円滑にコミュニケーションをとることで、無事に撮影を成功させたという経験談もあります。
このような経験を通じて、ADは自信をつけ将来のディレクターとしての道を切り開くきっかけとなりました。
クリエイティブな環境
テレビ業界は常に新しいアイデアや表現方法を求めています。
ADは常にテレビ制作現場の最前線にいます。
ただただ言われた雑務をこなすだけでなく、クリエイティブなプロセスに直接関与することができ、自分のアイデアが実現する瞬間を目の当たりにすることもできます。
番組制作によっては、ADが独自の視点から新しい企画を提案する機会もあります。
常に現場を見ているADのアイデアはディレクターに高く評価され、実際に番組の一部として採用された例もあります。
視聴者からも好評だと、クリエイティブな才能が認められる事にもつながりますね!
女性ADの具体的な仕事
魅力がたくさんあるADですが、実際にはどのような仕事をしているか気になりますよね。
ここではADの具体的な仕事とともに、女性ならではの活躍例も併せてご紹介します。
撮影準備と現場の調整
ADの主要な業務の一つは、撮影現場の準備と調整です。
ロケーションの確保
必要な機材の手配
キャストやクルーのスケジュール調整
など、多岐にわたるタスクを管理します。
これらにより、スムーズな撮影進行をサポートします。
主要キャストに女性が多い場合、女性特有の体調不良等でスケジュールの調整が入ることもあります。
経験が浅い男性ADの場合、細心の気配りがどうしても行き届かないケースもあり、撮影進行に影響が出ることもあります。
そのような時、女性ADがいることで調整やキャストへの配慮ができ、周りのスタッフはもちろんのことキャスト達からも評価されることに繋がるのです。
台本の管理と修正
ADは台本の管理や修正作業も時には担当します。
ディレクターの指示に従い、台本に必要な変更を加えたり、現場の状況に応じて柔軟に対応したりします。
このため、台本の内容を正確に把握し、迅速に対応できる能力が求められます。
さらに子役を多数起用している撮影現場の場合、子役によって台本内容の理解力や漢字等が読める読めないの差があり、それらの対応も必要になります。
もし女性ADに育児経験や教育関連の経験がある場合、子役に寄り添った柔軟な対応が可能になります。
女性ADがディレクター等と迅速に連携し、新しい台本を用意し柔軟な対応することで、撮影の進行をスムーズに保つことに繋がります。
撮影後の後処理と編集サポート
撮影素材の整理や編集のサポートを行い、最終的な作品の完成に向けて尽力します。
この過程では、細部にまで注意を払い、品質の高い作品を作り上げるためのサポートを行います。
特に近年では、コンプライアンスの意識が高まり、ちょっとした言動でも
「コンプライアンス違反だ」
「女性軽視だ」
「前時代的だ」
と炎上状態になり、最悪の場合は番組打ち切りにもつながります。
番組が炎上した場合、後から出てくる弁明で多いのが
「コンプライアンスにひっかかるとは思わなかった」
「女性を軽視したつもりはなかった」
「これが当たり前と思っていた(=前時代的とは思ってなかった)」
というものです。
男性が多いテレビ業界で、女性ADからの視線で編集を行うことで、映像の品質を向上させることにもなります。
その結果、完成した作品は高評価を受け、女性ADの貢献がチーム全体に認められることにもなります。
女性ADの挑戦と克服方法
ここまでご紹介しても、まだまだ女性がADに挑戦するのは壁が高いですよね。
では一体、どういった事に壁を感じているのでしょうか?
ここでは壁に感じていることを紐解いていき、女性ADにどのような克服が必要なのか見てみましょう。
ワークライフバランスの確保
テレビ業界は忙しい業界として知られています。
ここが「キツイ、休暇なし、高離職」の要因の一つにあげられます。
長時間の労働
不規則な勤務時間
が求められることが多いため、ワークライフバランスを保つことが課題となります。
女性ADとして成功するためには、適切な時間管理が不可欠です。
特に育児をしている女性ADは、3Kな環境でいかに時間管理の工夫が求められます。
まず、仕事とプライベートの時間を明確に区別することが重要です。
テレビ業界自体が長時間労働の代名詞にもなってしまいがちなので、区別するという意思を持って仕事に臨んでいる女性ADもたくさんいます。
ある女性ADは、忙しいスケジュールの中でもスケジュールを細かく管理し、仕事もプライベートもするべきことを後回しにせず優先順位をつけることで仕事の効率も向上させ、ワークライフバランスを保っているということもありました。
ジェンダーの壁を越える
現場では、まだまだ男性優位の風潮が残っていることがあります。
さらに女性の数が少なく、「女の意見なんて」というなかなか失礼な環境もあります。
しかし、女性ADとして活躍することで、そのような偏見を打破し、女性の視点やアイデアが評価される環境を作り出すことを自らが出来るチャンスでもあります。
自信を持って自分の意見を述べることが、ジェンダーの壁を越える第一歩です。
現在は番組統括責任者になっている女性も、ADからスタートした時は制作会議で自分の意見を述べても、男性スタッフから軽視される場面も多々あり、何度も気持ちが折れそうになったそうです。
でも、せっかく希望を持って入ったテレビ業界だからと負けずに自分の意見を論理的に説明することを繰り返した結果、彼女の意見が採用される事が多くなり、自信を深めて次第にチーム内での信頼を獲得していったと振り返っています。
人間関係の構築
テレビ制作はチームでの作業が多いため、良好な人間関係を築くことが重要です。
特にADは多くの人と関わるため、円滑なコミュニケーションが求められます。
信頼関係を築くためには、常に誠実な態度で接し、問題が発生した際には迅速に対応することが大切です。
それは目上や番組スポンサーなどだけでなく、部下や後輩にも同じことが言えます。
こちらも新人スタッフの教育を任された女性ADの話ですが、彼女は親身になって新人をサポートし、彼らの成長を見守りました。
忙しくて常に新しいアイデアを求められるテレビ業界において、この女性ADの姿勢が評価され、チーム全体のとりまとめにもつながりました。
その結果、プロジェクトも円滑に進行し成功を収めることができたそうです。
AD(アシスタントディレクター)の仕事の魅力とは?働く女性を調査:まとめ
女性がADとしてテレビ業界で活躍することは、多くの魅力と挑戦に満ちています。
多様なスキルを活かし、成長の機会を掴むことで、クリエイティブな環境で自己実現を図ることができます。
しかし、ワークライフバランスの確保やジェンダーの壁を越えるためには、
適切な時間管理
自信を持った行動
が不可欠です。
ADを目指す女性の皆さんが、この記事を参考にして、素晴らしいキャリアを築くことを願っています。