普段何気なく見ているニュースの映像や画像。
それらを撮影している報道カメラマンは、世界中のニュースを視覚的に伝える重要な役割を担っています。
彼らは常に動き回り、どんな環境下でも決定的瞬間を捉えなければなりません。
そのため、報道カメラマンにとって、信頼性の高い機材はなくてはならない存在です。
ここでは、報道カメラマンに興味がある方に向けて、
報道カメラマンに必要な機材
プロの現場を支える必須アイテムとは何か
について詳しく解説します。
実際の商品も紹介していますので、ぜひ参考にして活用してみてください!
今回は、現場を映像として残す報道カメラマンではなく、「現場をカメラ(写真)に収める報道カメラマン」について紹介しています。
目次
報道カメラマンの仕事を支えるカメラの選び方
報道カメラマンが報道現場で撮影する時、当然の事ながら私達のようにスマートフォンのカメラ機能やコンパクトなデジタルカメラを使用する事はありません。
実際にはとても長い望遠レンズがついた大きなカメラを、複数台持って撮影している事もあります。
ところが、
撮影技術があればどんなカメラでもいいのでは?
と思っている人もいるのではないでしょうか。
ここでじゃ、報道カメラマンがどういった目的でどういったカメラを使っているのか、プロの仕事を支えているカメラをご紹介します。
信頼性と耐久性が命!プロ仕様カメラの選び方
プロ仕様のカメラは確実に撮りたい間を捉える必要があるため、撮影技術を身に付けることも重要です。
しかし報道カメラマンが使用するカメラには、
炎や煙や砂ほこりやが吹き荒れる戦場
暴風雨や噴火に見舞われる災害現場
など、一般的なカメラでは動作が難しい状況でも過酷な環境でも動作する信頼性と耐久性が求められます。
特に、ニコンの「D6」やキヤノンの「EOS-1D X Mark III」などのモデルが多くのプロの報道カメラマンに選ばれています。
瞬時にフォーカス!動きの速い被写体を捉えるカメラの性能
皆さんの中には学生時代に運動会やクラブの試合、あるいは家族の運動会の写真を撮ったことがある人もいると思います。
大半の人が撮りたい人の動きについていけず、何十枚撮ってようやく1枚か2枚程度綺麗に撮れていた、という経験をして、撮影の難しさを知った人も多いのではないでしょうか。
報道の現場では予測不可能な動きが求められることが多くあります。
それはスポーツ競技だけでなく、今話題の人物を大勢の人の中で捉えて撮影する事も求められます。
そのため、カメラが自動的にピントを合わせるオートフォーカス(AF)性能が重要です。
最新のカメラは、AIを駆使した被写体を追いかける機能を搭載しており、人の顔や動物、さらには目まで認識してピントを合わせることができます。
これにより、瞬間的な動きでも確実に被写体を捉えることが可能です。
画質と感度のバランスが鍵!低照度環境でも活躍するカメラ
皆さんは暗い場所での撮影に苦労した経験はありませんか。
私も花火大会の写真はもちろん、家族の誕生日で部屋を暗くしてケーキにろうそくを灯した写真を撮るのでさえ上手く取れず苦労しています。
しかし報道カメラマンは、暗い場所や夜間の撮影にも対応しなければなりません。
そのため、カメラの高感度性能やノイズ処理が重要です。
高感度での撮影でも、シャープでクリアな映像を提供できるカメラが求められます。
ソニーの「α7S III」は、低照度での撮影に優れたモデルとして知られています。
レンズの選定が報道の質を左右する
報道カメラマンのレンズって、やたらと大きくて長いものが特徴的ですよね。
報道カメラマンにとって、レンズの選定は撮影の質を左右します。
ここでは報道カメラマンがどのようなレンズを選んでいるか紹介します。
標準ズームレンズの多用途と選び方
標準ズームレンズは、広角から望遠まで対応できる多用途の高さが魅力です。
報道カメラマンが1本のレンズで多様なシーンをカバーできるため、「大三元レンズ」と呼ばれる24-70mm F2.8のような標準ズームレンズが重宝されています。
このレンズは、ポートレートから風景撮影まで幅広く対応でき、報道現場では欠かせない存在です。
望遠レンズで遠距離からでも決定的瞬間を逃さない
報道カメラマンとは言えども、撮りたいものをいつでも近い距離で撮影できるとは限りません。
このように遠距離からの撮影が求められる場面では、望遠レンズが力を発揮します。
スポーツイベントの取材
野生動物の取材
災害現場の撮影
では、70-200mm F2.8や400mm F2.8のような望遠レンズが使用されます。
これにより、報道カメラマンは安全な距離を保ちながらも、迫力ある写真を撮影することが可能です。
単焦点レンズで際立つクリアな描写とボケ味
先程とは反対に、比較的近くで撮影する事も当然あります。
しかし近すぎると周囲の背景がじゃまをしてしまう事もあります。
そのような時に単焦点レンズは、報道カメラマンにとって重要な武器です。
特に
自然光が少ない室内環境
夜道の明かりが少ない場所
曇りの日
など、周囲の光のレベルが著しく低下している低照度環境での撮影や、被写体を際立たせたい場合に使用されます。
レンズの絞りを最も開いた状態の開放F値が小さく、背景を美しくぼかすことができるため、報道写真に深みを与えます。
35mm F1.4や50mm F1.2は、特にポートレートやインタビュー撮影での定番レンズです。
報道カメラマンを支えるその他の必須機材
報道カメラマンが重視している機材はカメラだけではありません。
ここではカメラ以外の機材やツールをご紹介します。
三脚と一脚で安定した撮影を確保
安定した撮影を行うためには、三脚や一脚が欠かせません。
特に、長時間の撮影や動画撮影において、カメラを固定することが必要です。
マンフロットやジッツオの製品は、軽量で持ち運びがしやすく、かつ頑丈であるため、報道カメラマンにとって信頼の置けるツールとなっています。
メモリーカードと外部ストレージでデータを守る
報道カメラマンは大量のデータを扱うため、高速で信頼性の高いメモリーカードが必須です。
さらに、撮影後すぐにデータをバックアップするために、ポータブルSSDやHDDも重要なアイテムです。
サンディスクやサムスンのメモリーカードと、耐衝撃性のある外部ストレージがプロフェッショナルに選ばれています。
どんな過酷な環境でも機材を守る助っ人
報道カメラマンが使用するカメラは、一式揃えると100万円近い価格になります。
そのため、どのカメラマンもカメラを大事に扱うことを心がけていますが、過酷な条件で使用する事を求められます。
防水・防塵ケースは、極端な天候や環境から機材を守るために、カメラやレンズを安全に保護するケースが役立ちます。
特に野外での取材には欠かせないアイテムです。
また、雨や雪からカメラやレンズを保護するためのレインカバーも、天候に左右されず機材を安全に保つために役立ちます。
報道カメラマンに必要な機材とは?現場を支える必須アイテムを解説:まとめ
報道カメラマンにとって、機材は単なる道具以上の存在です。
それらは、プロの仕事を支える命綱であり、報道の質を左右する重要な要素です。
カメラやレンズはもちろん、その他の機材選びは慎重に行っています。
もしあなたが報道カメラマンに興味があれば、これらの機材についての知識を深め、自分に合った道具を揃えることが重要です。
プロフェッショナルな報道カメラマンになるために、機材選びを最優先課題とし、日々の撮影スキルを磨いてください。